昔の人はいいものを思いついたもんだ、やっぱりあると便利だな、と今日の献立というやつを考えて思うのがすり鉢です。
ちなみに、「する」という言葉が縁起が悪いので「あたり鉢」とご年配の方は言うことがあるようですね。というか、私の祖母の受け売りですが、これは。
こいつが無くても料理は色々と作れるし、まぁいるとしても100円均一のプラスチック製でいいだろう――とか思っていたら、さすがプラスチック製。
溝に埋まった汚れをちょっと力んで洗ったら罅入って使い物にならなくなりました。
やはり陶器製が一番ですね……セラミックは宇宙船の部品にも、巨神兵の部品にも使われるしな。
なんだかんだあるのと無いのとではかなり変わるんですよね。レシピの幅が。
すり鉢を使う料理の得意とするところは「ちょっと一品」「これだけでは寂しいからあと一品」系統に役立つこと。
アバウトでいいご家庭なら、容器に盛らずにもうすり鉢ごとでんと置いたっていいでしょう。
実際、昔の家庭では珍しくもない光景だったとか。
非常に簡単なところなら、適当な野菜を湯がいて、すり鉢でごまを擦り立てて、投入してめんつゆなんかと和えたらごまの香り豊かなごま和えおひたしの完成です。
別にすり鉢がなくても作れる――と思っているものでも、なんだかんだすり鉢で擦った方が口当たりがなめらかになって良かったり、香りがさらによろしくなったり。
この一手間が料理の質をワンランク上げる、といったところですか。
また、私は梅干が苦手なんですが、梅肉ペーストの便利さは料理を作るものとして承知しています。
そして市販の梅肉ペーストと、自分で梅干をすり鉢で当てたものの美味しさの違いもよくわかっているつもりです。
そういうわけで、ミキサーもフードプロセッサーも無い我が家ですが、今日もじゃがいものヴィシソワーズなんかを作っちゃいましょうか。
なぁに、すり鉢ですればなんとかなるさ。